前略、ここしばらく世間では物々しい事件が続いていますが、とりわけ5月下旬の川崎市で起こったカリタス学園の事件、6月初旬の元農林水産省次官親子の殺人事件について、オフィスのツイッターでも複数回取り上げてきました。受講生の方と容疑者のチャートについて授業中に論じた日もありました。
皆さんにもこの場でお伝えしたいこと、また皆さんと一緒に話し合いたいことはもう山ほどあるのですが、 わたくし井上が最も心に引っかかっているのが2つの事件ともに容疑者と犯人が「心理的に完全に社会から孤立していた」点です。カリタス学園事件での岩崎容疑は長年の強度の引きこもりで、誰が見ても社会から孤立していましたが、元農林水産省次官の76歳父親のほうも、彼が息子について悩んでいたことを家の外では誰一人として知る人がいなかったのです。他者への相談皆無だったわけです。
相談業を営んでいる人間としては、確かに日本社会の文化として人に悩みを打ち明けるとか相談に乗ってもらうような行為が一種「恥」になる傾向に、すなわち体裁を重んじる日本人気質、ここの部分に事件の根幹的な闇を感じたりもしています。まだ市町村の相談窓口やNPOなら相談する人はいるでしょう。がしかし、「占い」にはなかなかそういう家庭の問題、心の病みについては運ばれてこない傾向です。
「占い」と言えばまずもって怪しい石やグッズの販売、そして不倫相談というなかなか拭われない固定観念にも落胆を禁じ得ません。が、自ら払拭していくしかなかろうと、その一端でこの日本タロット占術振興会をも立ち上げていることを、常々活動の内外でアピールさせて頂いているのですが、力のなさを痛感するばかりです。
続きは会員ページにて。
---------------早々
草々
2019年6月23日
太陽が蟹座へ移行した日に 井上教子