2018年08月28日

不思議な「愚者」

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British Museum/大英博物館から画像をお借りしました。やっぱり愚者の頭が切れていますね。。ある意味ホッともしますが、やはり頭が切れていない「絵」なり「写真」なり、基本です、スタンダードです。特に頭が切れている写真とかもうね、個人的にイライラしますよ。。

あ、そうそうマルセイユ版の愚者ね。その頃は、「愚者」に番号があえてわざわざ振られていませんでした。あえてタイトルは付け出されたのですがね。。

それには、ゲームカードに由来するところがある。

当時人気のあったカード・ゲームの一つにトリック・テイキングというものがあり、そこでは「Matto」はいつでも出すことができる「Excuse=免除札」で高得点が与えられていました。他の札の代わりにいつでも出せる札ゆえに、番号もタイトルも記載されていないという存在でした。札にMattoと書かれていたわけではなく、そう呼ばれていたわけです。Matto以外の他の札は「Trionfi」※と呼ばれていました。

※Trionfi:イタリア語『切り札』を意味することば。ここから和名「トランプ/trumps」が派生している。宗教上の「儀式、行列」を意味することばでもあり、聖者の行進を取り仕切る行政官は、神託や占いの力をも兼ね備えていました。

ゲームや賭博用のタロットは、イタリアでは15世紀以降、フランスとスイスでは16世紀以降すでに広がりを見せています。その中で通称マルセイユ版と呼ばれる78枚のセットはまた別の用途が見出され、一貫したスタイルで描かれるように独自のルールを伴いだしたことがうかがえます。

イタリア語やフランス語の文献をわかりやすくお示しさせて頂くのは至難でございます。許せ。。わかりにくところは何でも個別に質問してちょうだい。

 ドダル版復刻作品はやはりこちらがオススメ!



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posted by ステラ・マリス・ナディア・オフィス at 10:00| 埼玉 ☔| Comment(2) | 日本タロット占術振興会事務局より | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かに絵には描き方や鑑賞の仕方という一定のルールがあります。
でも、勉強したことがない人は、タロットの絵の印象だけを受けてしまいます。
それでその印象だけでお仕事をしてしまうのは、致し方のないことですよね。
勉強したことがない人は、かえって絵からインスピレーションを受けて、自由な印象のままに、色々な発想ができ、それで仕事になればそれでいいという考えも、わかる気がします。
Posted by t.y. at 2018年09月17日 22:51
コメント誠に、ありがとうございます。
わたしが強調したいのは「勉強」ではないのです。
確かな文献を調べる限りですが、「タロット象徴事典」にも書かせて頂いたことですが、タロットと言えば絵札です。「絵の解釈」が原点です。「絵」はそもそも何のために生まれ出たのか?メッセージツールとしての発祥、おのずと確立された「絵の描き方や鑑賞の仕方」、そういった「伝統」を解釈に取り入れることで、一定のブレない解釈という効果に期待できますよ、ということなのです。
「別にそんなのどうでもいいですよ、1年で取りあえずタロット占い師になれれば!」というご意見のほうが圧倒的に多いのは、今になって始まったことではないのでしょう。
占いを依頼する側の、そういう中のことはよくわらかない人たちにとっては、もっともっとどうでもいいことでしょう。ただ、そういうよくわからない大多数の人に押されて、世の中の大きな流れというものは出来上がっていたりするものです。
比較的わかっている人間として、自分なりの爪あと程度でも流されず抵抗したり、そんな自分です。
解る方には、こんな話はご無用です。一種プロフェッショナルってそういうものでしょうと。このブログを楽しみにして下さっている人たちは、そうですよね♪
10年、20年経って、中断した学習を再開したいという声も頂いております。現場に出るようになってから、うちの講座のよさを実感したというお声も。だから、うちは本物です、プロですから。皆さん安心して下さいね(笑 
回り道にも、大きな意味がありますな。
本当にいつも、ありがとうござます!
Posted by ステラ・マリス・ナディア・オフィス at 2018年09月20日 18:52
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