2011年05月20日

20日のタロット・レメディ・セミナー後記

後記
無事、課題を提出していただき、今回も開催することができました。
が、先回提案した「大アルカナと小アルカナの使い分け」はなされておらず、その辺りからの復習から入りました。

確かに、78枚でワンセットのタロットだけれども、ではなぜ、なんのために、大アルカナと小アルカナが存在しているのでしょうか? 美容師さんも、ハサミやレザーを使い分けながら、ひとりの人の髪を仕立てますよね。ピアニストは白鍵と黒鍵を使い分けてひとつの楽曲を奏でる。その物を理解して、使いこなす、これがプロの道具の使い方かと思います。メジャー・アルカナは主役、マイナー・アルカナは脇役、ストーリーのクライマックスを象徴するのは大アルカナ、その盛り上がりまでの小さなエピソードが小アルカナ。みんなそれぞれ役割をもってしていっしょうけんめい、私たちにメッセージを送ってくれているわけです。

まずは、各自自分のことで持ち寄ったタロットの展開の解釈を全員で論じてゆきました。

ある方のケルト十字展開法
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5 of SWORD. から4 of SWORD. の流れ、そしてご本人が9 of WANDS. 御自身の可能性が8 of SWORD. まるで傷ついた戦士の物語のよう。でもこの話の根底には愛がある。

そうして、これが占いを生業にしておられる方の今後についての展開となると、アルカナ「月」は吉兆を暗示するものと解釈できます。月=あまりよくない札 というヘンなとらわれがあるのか、不安定な情勢になっていくことを読まれていた方もいましたが、月は月であって、神秘やファンシーを象徴する物として然るべきところに出て、ここにひとりの占い師さんの自立や独立というストーリーを読むこともできるのでは。

新しい仕事の展開があるとして、だからこそ、その次に「KING of WANDS.」という人物が登場したりもする。こんな風にストーリー作りが具体的になる。ただ単に「月が出ているから何となく今よりわるくなっちゃうのかも」という解釈では、次の「KING of WANDS.」に至ってはもうちんぷんかんぷん。人物札がニガテ、という方は、実は大アルカナにつまづいている、というのが、ひとつの傾向のようです。

それから、本日は「2」を扱いました。ひとつの物事を構成する二側面、「表裏一体」について、各スートの2の札を通して、論じていきました。好きは嫌いの裏返し、愛と憎悪、生と死、一見、正反対の事柄でも、確実に延長線上にあることを、見過ごしてはもったいないところです。ね、そう考えると、人を好きになること、嫌いになること、いずれもそんなに気に病むことではないのです。好きになれば、嫌いになる可能性が出てくる。だから、嫌いになったときに、グッとその根拠に耳を傾ける。ちょっと自虐的な要素があるかもしれないけど、その嫌いになった自分の心に向き合ってみる。「嫌いなる必要性」が見えてきたりする。必要性の部分を何とかするほうが、嫌いな人ともめているより、かなり生産的なようで、ストレスも少ないようですヨ。

ここから、同じ「人間」である私たちが、個々の感じ方・考え方の違いが枝分かれしていき、「個性」につながっていく話になりました。「お国柄」ということばがあるように、自ら生きるため、生まれついた土地の風土に合った一定の身体の反応がつちかわれ、地域差から個人差へと移項していったのでしょう。地域の最小単位が「家」であり、現代人は生まれた家、育ての親、その生活様式に大いに影響を受け、「個人差」を発揮しているのです。

 個人の問題に向き合う際には、その人の家族関係、幼少期の体験、生活様式等居住まいや価値観についてとも向き合う必要が出てくるのはこのためです。
   そして、私たちが、他者の問題に向き合う際に、最も重要なことはその人の個性に向き合うこと、個を理解することなのです。

  さて、タロットを通して、私たちは様々な相談者の背景をかいま見ることがあります。相談者の抱える「恋愛相談」が、相談者の感じ方・考え方の問題のほんの一端であり、もっと根本的な問題があることを伝えて、タロットという絵札は活躍します。特に大アルカナは象徴的に、小アルカナは生まれ育った環境や家族関係、アニマやアニムスを表す札として如実に登場してきます。

 相談者が「恋愛相談」だと言っている内は、その相談者の心理状態のレベルを合わせて、徐々に相談者の本質的な問題に触れていくことができれば、それでよしとしましょう。
 占いとカウンセリングは、根本的に違うものですが、相談者が心を開き、自ら語るようになるステップが重要である点は変わりありません。占師も時に、待ち、相談者の成長を見守る必要も出てくるでしょう。

 大アルカナでも小アルカナでも、それを介してする相談者とのコミュニケーションには、思いの外緊張感が必要です。今、自分が出すぎていないか、引きすぎていないか、行きつ戻りつ、相互に向き合う姿勢を大切にしていきましょう。


16時半を回って、もうひとつ読み合わせたかった「ユング」についての資料に使う時間がなくなってしまったので、これは取り合えず持ち帰っていただく。今回の参観者の中にはユングに馴染みがない方もいらっしゃるので、ユングが考えた心の構造について、彼が提唱した普遍的無意識について、紹介したいと思いました。次回の講座はここから始めることとなります。

引き続きお仲間募集中☆ 日ごろからタロットを通じてご自分と他者の日常的な問題、心の問題に向き合う取り組みをされている方は、ぜひそのタロットワークについて、同じような仲間と意見交換可能な場所ですので、いっしょに色々考えていっていただければと。リラックスした雰囲気で開催していますので、何でも自由に意見を述べていただいて、心のよどみを解消できるような場にもしていただければと思っています。今日も話したのですが、セミナーなんだけれども、ここが参加者の方々の「休憩所」的でもありたいのです。私自身にとってそうであるように。こういうところがあると、「仕事もうやめちゃおうか!」的な衝動に駆られることが少なくなりますヨ。

今後の日程
・タロット・レメディセミナー 第三回 6/17金曜日 14:00〜16:30
テーマ「小アルカナ3」

・タロット・レメディセミナー 第四回 7/1金曜日 14:00〜16:30
テーマ「小アルカナ4」
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posted by ステラ・マリス・ナディア・オフィス at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | タロット・西洋占星術講座のお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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