2010年07月04日

タロット茶話会前記

HERON社のマルセイユ版は、1701年のドダルのマルセイユ版をベースに、ニコラス・コンバーのマルセイユ版(1760年)を加味して作成されたものらしい。3点を並べてみましょう。

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時代が移りゆくと共に、線が不明瞭になっていくのは否めませんが、色の濃淡の繊細さなど当時は出せなかった風合いが見られ、多様化する私たち個々の好みを満たしてくれるデッキが増えていくというのは、また価値あることだとも思います。

結社で都内近郊にお住まいの方には、次回の茶話会のご案内を封書で送らせていただきました。趣向が合う方がいらっしゃればこれ幸いです。

茶話会では、第一のアルカナ魔術師の「卓上」に注目してみたいと考えています。

2002年発刊された「秘伝カモワン・タロット」で、魔術師の卓上のサイコロの目にも意味があるという下りに直面した際には、衝撃を受けた次第です。書籍によれば、3個のサイコロの目の合計がで21。どのサイコロも、1、2、6の面が見えています。7×3=21と、21のアルカナを表しているのでしょう。解説書によれば、21という神聖数が強調されています。

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ノブレのほうはどうでしょう。3つのサイコロの出目はそれぞれ「1、3、6」「1、2、3」「1、2、3」で、10+6+6=22となります。こちらも愚者+21で22の大アルカナを表していることがわかります。解説書によれば、サイコロは、インカーネーション=受胎が偶然に左右されることを象徴しているものとのこと。なるほど!すばらしき、シンボリズムです。

他方、ドダルのマルセイユ版では、サイコロの目まで描かれていません。先だっても申しましたとおり、この時代に於いて既に各彫刻家たちが独自のヴァージョンを作成することに腕を競い合っていたのです。出目に意味を持たせる者、そうでない者、それぞれに意味を見出しデッキを刊行したメイカーたちとの競演がここにあったのですよ。その競演が失われ、メイカーがただ「タロット屋」におちいってしまったことを、ノブレやドダルの復刻版を今もなおリプリントしているメイカーは嘆かれているようで、なるほど、こういう細部に意味を持たせたデッキともなれば、お嘆きもまっこと、わかるような気がします。


まあそれぞれ良さがありますきに。自分のお気に入りのデッキ以外のデッキにも、それぞれ良さを認め合いたいものですよね、我が結社のメンバーとしては。

龍馬伝を観ていたら、こんな時間になってしまった、、
それでは、茶話会にて。

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posted by ステラ・マリス・ナディア・オフィス at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本タロット結社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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