2022年12月19日

「女帝」の樹木と易道学校後記と売れない作品をなぜ書くのかについて

何とPCにWordが入っていないという環境ですが、メモ帳って機能なのかですかね、やっています。

易道学校のタロット&西洋占講座の後記を備忘録として。

11時〜西洋占基礎科では「牡牛座」がメインテーマ。
黄道12星座の特徴を決める5つの要素、12の星座記号と10の惑星記号、第2の宮、金星、太陽星座、月星座、水星星座、金星星座、火星星座の牡牛座のパターンも網羅でき、すっきりしたかと!


14時〜タロットのほうが少し中途半端で、「女帝」の解釈、読み解きから次回はじめる感じですね。

冒頭で、札のシャッフルカットスプレッドなどやりましたので、何枚取って何枚目を置く、という疑問はすっきりされたのでは。

Twitterにも投稿しておいたのですが、「女帝」に描かれている樹木の葉の描き方(葉が黒い点になっているのはなぜ?)に質問をいただき、みんなで考えてみたいなというシーンもありました。
waite03wl.jpg
そこでもお話したのですが、大学で受講したヨーロッパの歴史、テキストの中に「森のヨーロッパ」というタイトルの項目があり、そもそも「森」というものが特段に西欧圏では象徴学的にも重要なシンボルであることを伝えました。
「森」が何を象徴するもので、どういった背景をもつものなのか、シンボリズムにある西欧特有のニュアンスを知っておきたいところでもあるのです。

テキストは「ヨーロッパの森は下生えが乏しいため、比較的容易に踏み込むことができる」という書き出しではじまり、西欧諸国の民話には「森」を舞台にしたものが多いことに触れています。
なるほど、うちの近隣にも森はありますが、散策できるタイプもあれば、ちょっと踏み込めない雑然とした森など、地域によって色々ですね、ひとことで森と言っても。

森で収穫できる木の実は、人の生活にも家畜の飼料にも不可欠であり、森で狩猟を行うことが権力者たちの特権であったこと。
神や精霊たちの住まう場所として、人間も特殊な力を求めて森に入り、奇跡を起こすべく修業の場とし隠遁するのがまさに森。
等々テキストに記されています、、人々は森に神聖な力を見出してもきたのですね。

これらの森は広大で深く、「Kい森」と呼ばれるエリアがあったりもすることを授業中に井上は思い起こしました。

さて、画家が植物を描く際に、自ら編みだした空想の植物を描く以外には、おそらくは品種を特定して描く可能性が強いでしょう。

ヨーロッパの代表的な常緑広葉樹として、コルク樫、月桂樹、糸杉、
落葉広葉樹として、ナラ、ニレ、菩提樹などがテキストには上げられています。

描くとすれば、キャンバスには各木々の高さ、葉の色や形、異なった特徴をかもしだして描かれることになるかと。。

「女帝」に描かれている木々は、それぞれ一体何なのか? またそれらは通常どのように描きあらわされているものなのか、こちらも調べて観たときに、これらの樹木の絵柄に何を思い感じるか、異なってきますね。

樹木の葉の描き方、点で描きあらわすというのはそう変わった手法ではないようにも私などは感じられます。濃淡をつける中で一様にして緑ばかりではなく、黄色や黒い配色もあって然りなのではないでしょうか。

そして、森林、森、林、、それぞれことばが違うのですから、それぞれを確認もしたいですね。
それらがきっちり線引きできるようなものではなく、やはりグラデーションが見出せることでしょう。

さてさて「女帝」には豊かな川も流れています。まるで「星」の絵柄に通じていくように。。

ロンドンの雨量は東京の半分だと記されています。水の希少性、国外で暮らしたことがある人、私も含めてそこかなり国民性感じるところですかね、「日本は水が豊かな国」って。
森の中に川が流れている、、それだけで絵柄ととしては豊穣のシンボルにもなります。

作者のウェイト&パメラは二人がロンドン在住中にタッグを組み、ウェイト版を完成させています。その後もウェイトはロンドンから離れることはありませんでしたが、パメラは放浪画家として知られた存在。
二人はその後深い親交がなかったとは伝えられていますが、ではそれぞれが誰とどこまで深く親交していたかなんて確かな記録が残っているわけでもないのです。ええもう、吾妻鏡以下の情報量でしょう。

断片的な資料が残るだけの中で、フィクションを通して、ウェイト・タロットが伝える「人生とは? 愛とは?」を伝えて書いています。


「そんなの売れませんよ!」・・・ご指摘ありがとうございます。
がしかし、売れないから生活できずに路頭に迷うようでは問題でしょうが、幸いにして、私はもともと売れっ子作家ではありません。

売れ行きが自慢のわたくしのタロット書、講座や鑑定ではありませんが、、

どうやら何ごとも飛ぶように売れる必要は、多くものにないようですね。

色々なモノを扱わせていただき、ぼちぼちですがそれぞれに少しでもお越しいただける日々、ありがたく存じております。

売れることが、大切なのではありません。

うちのものを何でもちゃんと使って、役立てていただけることが、何より重要なことです。

すべてがその前後の、前説、アフタフォローですので、ご理解いただける方にはいただければ幸いに存じております。

老婆心ながら、売ることが目的になっているとき、それは誰もが注意すべきときなのかもしれません。

文書や絵、売るために書いているのではなく、読んで観ていただくために、まずは表現しているのだということを改めて認識でき、ありがたく存じております。

ウェイト&パメラのタロットパラレルワールドを、どうぞ、これからも、何卒、宜しくお願い申し上げます。

ウェイト・タロットマスターコースにも取り入れ開始となっております。
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posted by ステラ・マリス・ナディア・オフィス at 11:35| Comment(2) | TrackBack(0) | タロット・西洋占星術講座のお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月16日

日本タロット占術振興会 12/15の年忘れ&座談会後記

2時間がアッという間で、、当初の予定通りにしっかりみなさんをみなさんに紹介、できない節もあり、申し訳なく存じております。ひとこと話せばもう脱線に次ぐ脱線。。失礼をば。。が、最後みんなで笑顔になれたから!

占いカフェ&バー燦伍


https://r.gnavi.co.jp/1gf3v5b50000/?sc_lid=home_check_shop

https://khakisenda.wixsite.com/eranos

サンゴさん。。せますぎず、広すぎず、落ち着いて話をするのにちょうどよいスペースな気がしました。

ちょっと会がお開きになるところで私たちがうるさかったですね、、

占いのお客様もいらっしゃるので、そういうことに注意してまたご迷惑にならないように次回も集いとかで使わせて頂きたいなと思った次第。


後記として一番伝えたいことは、やはりタロット・占術というものは、精妙な世界です。

物書き職人井上として言語化してなんぼでは、というところでもあり、ちょっと今回長くなりますが、

「自由とは?」「自分の好きに生きる人生とは」・・・壮大なテーマです。

30分、1時間でまとまる話ではないでしょう。

会の最後のほうである方に若さの秘訣はとうかがったら自分の好きなことをやって生きる」という話が出ました。

イコール「サラリーマンを辞めたこと」「朝の満員電車から抜け出すこと」に結び付けての発想が飛び交いました。


が、まずね、サラリーマンという「職業」、、これはもう関係のないことですよね!

逆に、好きなことをやって生きるために、サラリーマンをやっている方は多くいらっしゃるはずです。

(もちろん発言者の方は重々承知で、ただご自身の身の上話に結び付けただけの話でしょう。決してその方への批判ではありません)

それよりも、リーマン、満員電車・・・という特定の職業にありがちなキーワードにどんどん話が広がっていくところに問題を感じた次第。


というのは、会のメンバーはあの「愚者」を通過した人たちのはずです……

タロットの大きなアルカナ22枚、どれも重要な札ですが、ウェイト、マルセイユでは特段に「愚者」は、いわゆる「自由」というキーワードを持つ、22枚の中でも異色の強いメッセージ性を兼ね備えた札です

なのですから、ちょっと立ち止まって考えて欲しかった。。

「好きに生きる人生」について、ここ皆人それぞれの、何をもって「好きに生きる」ということをですね。

そして「自由」について、立ち止まって考えて欲しかったのですね。


自由に生きることと、好きなことをやるのと、また、好き勝手に生きることと、もうワガママに生きるとかね、

それぞれわけが違ってきますが、ここ混同されがち。。

というかもう人それぞれの定義になってきてしまいますよね。線引きなんてできません。

そのグラデーションの中で、常にトラブルが起こるわけです。

「そんなの私の勝手でしょう、自由でしょう、あなたも好きにすれば?」と。


微妙ということばが流行ったことがあるけれど、精妙というのがさらにその上をいく細やかさであって、この精妙さこそがタロット含む占術の根本原理。

グラデーションの中の、精妙なところにこそ、敏感になる必要がある。。。それが占術というもの。

いっしょくたにして語られるともうひっかかりがすごく。。


リーマンって、、「月から金まで9時ー5時」みたいな働き方の人を揶揄ってるところありそうですが、そういう人たちがいるから、社会が成り立っているわけでもあり。

誰かが自分の好きに、自由に生きるには、それが可能になるその土壌がやはり必要ですよね。「秩序だった社会」あってのことだってこと。

つまり、昨日の忘年会で楽しい時間を過ごすことができましたが、それはその場を提供してくださるサービス業の方あっての、それであり。そこに調達される様々な物資あってのお店でもあり。食料も配送屋さんも誰もかれもがからんで寄せ集めあった労力でもって土壌ができあがる。

その土壌に思いをはせることなく、ただわが身の自由よ、好きな生き方よと、謳歌する人がいるから痛いんでしょう。。まさにわたくしめも。

私がタロット・占術を学ぶ前は、そういうことに意識がおよばず、自分の肉眼で見えているところまでしか、見ないという姿勢で生きていた。

かなり痛い部類の人間で、今でも折に触れ気をつけるようにと。


タロットでは、ケルト十字展開など学ぶ過程がありますが、

そこで「潜在性」という観点を知る。自分の目の届かない所、不可視の領域に、そういうところにも意識をおよばせて見えていないものを「見ようとする」感覚を、養うことができる展開法です。

結果、タロットは如実に、「視覚を鍛えてくれるツール」と化すのです。


「彼の気持ちが知りたいアレルギー」なんて、早々に克服できるはずなのですが。

人の気持ちに不安になる、信じられない、そう相談してくる人は、ご自身とそれを取り巻く人との人間関係の「見方」がまだわからないだけの話では?視覚をいっしょに鍛えていったらよろしいじゃないですかね。

その方の話を聴きながら、じゃあどういう風に、おつき合いしている人の気持ちを見たり、聞いたり、触れたり、感じたり、できるようになるか、いっしょになって考えて、導いて差し上げる。。ためのタロットの絵柄やシンボルなのではないでしょうかね。

少なくともうちの会員さんにとっては、そういう仕事をもってして「占い師」の仕事とする人たちであって欲しいものです。

2022/12/28水曜日の池袋勉強会にて、しっかり学んでまいりましょう。
めざせ タロットマスター!.png

占い師の仕事といえば、鑑定か講師か、という発想に走りがちだけれども、いや、もっと具体的には依頼者に寄り添うのがまずどんな職業でも基本のキです。

その基本ができて、はじめて、では人生相談にと、授業にと、色々な方に来ていただくことが可能になります。

色々な方がいらっしゃるということはもう星の授業でいやというほど知るはずなのですが。。

中にはもうついて行けなくなる方も出ます。どうぞ、ご自由に。

自由の先にあるものは孤独です。場合によっては、犬しかついて来てくれません。

そんな孤独との葛藤をひた隠しにして、人は今日も笑い、楽しみを探し、誰かつながれる人を、求めるものなのですからね、そこでさまよっているもよし。


さてさて、自由に好きなように生きるなんて、職業で決まるこっちゃない。そもそもにしてありえんでしょう。

今この瞬間にもうガッチリ拘束されて、明日の朝からもうやることは決まっているのです。

この日々の暮らしの営みの連鎖の中で、どう「自由を獲得し、豊かな人生、悔いのない人生を歩めるか、ここが肝なのではないでしょうかね。

拘束されようと、制約かけられようと、その中で、自分の自由をつらぬく生き方をめざしたいものです。

そして、最期に微笑みを浮かべることができる人生を。


マガジンで連載中のタロットパラレルワールドの中で、A.E.Waiteは娘シビルに「自由であれ」と伝え、もしその先に自死というものがあるなら、それは受け入れると言います。普通は「死なないで」というところですが、、

自死という自由について、あなたはどう考えますか?

もし、自分が心からどうしてもやりたいことと、最愛の家族の意向が拮抗したら、あなたはどうするでしょう?


「自由とは?」「自分の好きに生きる人生とは」・・・ほんとにほんとに壮大なテーマです。

だからタロット=「愚者」ぐらいの発想になる人も多い。人を引き付ける「愚者」。なのではなかろうかとも。

占術的思想という当方の十八番のカテゴリの中で、今後も折に触れ、大切にして温めていきたいテーマでございます。

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posted by ステラ・マリス・ナディア・オフィス at 20:46| Comment(0) | TrackBack(0) | タロット・西洋占星術講座のお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする